東リのグローバル営業拠点は東京オフィス、東璃(上海)貿易有限公司、シンガポールBranch Office。アジア、中東・インド、オセアニアといったエリアで現地の有力代理店を通じて市場展開を強化しています。2024年7月には北米での販売子会社「TOLI North America Corporation」の営業がスタートし、北米における東リブランドの更なる浸透を目指しています。
東京
上海
シンガポール
アメリカ
グローバル戦略推進部
シンガポールBranch Office
法学部
2003年入社
まずは大阪第2営業所に配属され、2009年に八王子営業所に異動。2013年に当時の海外営業部へ異動となり、アメリカ、香港、ASEAN各国の担当を経験しました。2019年に東リでは2つ目の海外拠点となる「シンガポール駐在員事務所」の立ち上げのためシンガポールへ。その後支店登記され現在の「シンガポールBranch Office」になり、現在ASEAN地域を管轄するリージョナルマネージャーとして従事しています。シンガポールをベースに、月の半分はASEANのどこかの国へ出張する日々を送っています。
東リのグローバル事業は伸びしろのある領域です。そのため、知見・経験の及ばない「未知の領域」に進んでいくことも多々あり、難題も多いですがやりがいを感じます。「シンガポールに事務所設立」と言葉では簡単ですが、多岐にわたる業務があります。労働ビザの申請、銀行口座の開設、現地法律を遵守した会計管理や監査、求人、各種契約締結など、他国でビジネスを始めるのは容易ではありません。シンガポールは比較的ビジネス環境が良いとされていますが、「事務所がある」「普通に仕事ができる」という日本では当たり前の背景には、あらゆる方のサポートがあることを強く感じます。
海外でさらに強固な販売体制を構築したいと考えています。東リ製品は国内国外ともに、代理店の方々にも販売していただいています。国内はグループ会社のリックをはじめ多くの代理店がありますが、海外ではまだまだ販売網が安定していないエリアもあります。加えて海外、特に私の管轄するASEANでは企業の浮き沈みが激しく、代理店を何度も探している国もあります。自社体制としては、現在シンガポールとインドネシアに1名ずつローカルの営業員を配置しています。このようなローカル人材を他国でもさらに増員、展開できればと思っています。ゼロから販売網を構築していく難しさはありますが、そこには新しい企業や人との出会い、ビジネスの発展という仕事の醍醐味があります。
江蘇長隆装飾材料科技有限公司
工学研究科 物質工学専攻
2002年入社
入社直後に所属したのは開発部で、1年目は伊丹、2年目以降は厚木に勤務していました。伊丹では分析や特許申請するための社内審査などを担当し、厚木では塩ビタイルの開発を行っていました。そして入社から6年が経過したころ、厚木工場の製造課に異動となり、塩ビタイルの生産ラインの管理を担当。厚木で約7年、その後同じ役割で伊丹に異動した後、初めての海外勤務で中国へ。現在の江蘇長隆装飾材料科技有限公司(JCL)の所属になりました。JCLでは東リブランドのタイル製品の生産や、日本の東リで開発した製品を中国で生産できるように開発する業務に従事しています。
まだ中国に来て間もないため、中国語でのコミュニケーションに苦労している部分があります。その中で通訳の方を介さずに現地の仲間と感情を共有できた時は、日本にいたころには感じることができなかった喜びや充実感があるため、豊かな時間を過ごせていると感じています。中国で働き始めてまだ半年ほどですが、現地の仲間たちと共に働いていて頼もしく感じることも多く、これから海外事業ならではのやりがいに出会えると思い楽しみにしています。
東リのグローバル事業は成長拡大路線をとっています。中国に来て感じているのは、競合メーカーの納品までのスピードが早いことです。品質で負けることはないので、このスピード感を構築するような仕事をしていきたいと思っています。個人的には、中国語の能力向上に取り組んでいます。日本にいる時から東リが実施している中国語研修に参加。今は仕事終わりに中国語のテレビしか見ないようにして、耳にとまった言葉を辞書や翻訳アプリで調べ、ノートに書き留めたりしています。通訳を介さずに、業務の大まかな部分を現地の従業員に伝えられるようになることが今の目標です。
2019年に海外事業部からグローバル戦略推進部に名前を変え、半世紀以上にわたる海外ビジネスの歴史の中で大きな転換期を迎え加速する東リのグローバル事業。その拡大は中期経営計画にも掲げられ重要性が増す中、当事者たちの現在と未来に迫る。
N.S
グローバル戦略推進部
1997年入社 商学部
ゼネラルマネージャーとして、エリア別販売施策立案・実行、海外市場向け製品開発、海外営業生産拠点構想立案、M&A検討、グローバル戦略立案・推進などを行う。
S.T
グローバル戦略推進部
2015年入社 グローバル・メディア・スタディーズ学部
ベトナム・タイ・フィリピン・カンボジアを担当し、東リ製品の拡販・海外代理店の開拓・海外向け販促ツールの企画なども行う。
TALK SECTION 01
グローバルの舞台を目指したきっかけ
入社から8年は国内営業に従事していました。その後、経営企画部に異動し、売上予算策定、部門別損益、業務目標管理、中期計画立案を担当。次の営業企画部では販売価格、プロモーション、債務管理、代理店会、営業施策立案などを経験しました。
私も入社から8年間国内営業に従事していました。大阪でのルート営業からスタートし、次は岡山の営業所で川上から川下まで一貫して担当する地方ならではの営業を経験。次に名古屋では中堅として再びルート営業を経験しました。
明確にグローバル事業を意識したのは営業企画部の時。東リが爆発的に売り上げを伸ばし成長していくためには、今後、市場の大きな成長が期待できる海外での成功が鍵を握ると考えるようになりました。そのころから徐々に海外での仕事にチャレンジしたいと思い始めましたね。
元々、漠然と英語のスキルを活かした仕事に就きたいと考えていたので、大学の学部もその視点で選びました。東リに入社してからもその思いがあり、転機になったのが社内の選抜型の英語研修メンバーに選ばれた時です。海外を舞台に働くビジョンを実現するときが来たと思いました。あとは営業所時代の先輩がグローバル戦略推進部に異動になりよく話を聞いていたので、身近でありながら憧れもありました。
TALK SECTION 02
グローバル事業の今
東リの海外事業は半世紀以上の歴史があり、アジアを中心に各国で有力代理店を開拓・契約し、その代理店を通じてビジネスを展開してきました。現在、約20の国とエリアで販売しています。売上を伸ばすためには、そのエリア・販路を更に拡大していくことが重要だと思っています。
エリアや販路を拡大していくためには、現地企業が施主となるローカル案件の獲得が必須と考えています。私の担当国、特にベトナムでは日系企業が多く進出しており、その工場やオフィス案件が多い傾向にあります。このような日系案件に関しては、日本製品というアドバンテージから採用いただけるケースが多々ありますが、ローカル案件は日系案件とは異なりアドバンテージが少なく、現地企業と競合になります。昨今はこのようなローカル案件が増えてきており拡大の余地があるため、現在は現地代理店と連携しローカル案件の獲得に注力しています。
ローカル案件となると、現地メーカーとの熾烈な競争があります。その中で東リの強みは品質です。意匠性の高さなど、現地メーカーとは一線を画すため高い競争力を持ちます。一方で、東リは国内で生産した製品を輸出するため、日本から遠い国になるほど納期や輸送コストがかさむため競争力が弱まります。まだ多くの課題がありますが、東リの高品質な製品がより多くの国で採用されることを目指して、現地での新規開拓に注力しています。
TALK SECTION 03
グローバル戦略推進部のやりがい
2024年7月、アメリカ現地法人TOLI North America Corporationを設立しました。東リが海外事業を始めてから長らくメイン市場はアメリカでしたが、近年は低調に推移していました。そこで再度市場拡大へチャレンジしようとなり、これまで代理店を通じてビジネスをしていましたが、現地法人を設立することになりました。
この法人設立は、ひとつ年上の先輩も携わっていたので話を聞いていて、難しそうと思う一方で、こうした案件に若手営業が関われるのはグローバル戦略推進部ならではなので、将来は自分自身も担当してみたいと思っていました。
こういったことは、臆せずチャレンジした方がいいです。準備に1年半以上かけ、倉庫移転や受発注システムの開発、人の採用などを実施。コンサル会社や本社のサポートを受けながらですが、基本的には自分たちだけで何とか法人を設立・稼働することができました。S.Tの先輩は日本とアメリカを往復する日々のうえに、初めてのことばかりで大変な中よくやってくれました。現在、米国現地法人は早々に黒字化の目途が立ったので、次の目標は東リを北米でも存在感のあるブランドに育てていくことです。
私がやりがいを感じるのは、東リ製品のクオリティや意匠性の高さを認めてもらった時です。昨年、ベトナムの約45,000㎡ある大型病院のローカル案件で、東リ製品を採用していただきました。ローカル案件獲得に注力しているなかでの採用だったのでうれしかったです。また、ベトナムの現場でベトナム人の職人さんが施工している場面や、大面積に敷かれている製品を見て、「東リ」というブランドを改めて誇りに思いました。
こういった東リ製品が採用された報告は本当にうれしく思います。私自身、東リ製品が好きで誇りをもって販売しており、どこに出しても誇れる品質がありますからね。
TALK SECTION 04
グローバル事業のビジョン
担当地域のASEAN諸国は今後も経済成長が見込まれているため、多数の建物の建設が予想されます。ASEAN地域におけるシェア拡大は、グローバル事業拡大においても重要なミッションです。そのためにもやはりローカル案件での採用が大切。責任感を持って取り組んでいきます。
ローカル案件獲得は難しいことです。近年、各国でローカルメーカーの技術力が向上してきていることもあり、競争が激化しています。東リが勝ち残っていくためには、各国・エリアのニーズを的確に把握し、それに合わせた製品を「適切な価格・納期」で提供できる仕組みが必要です。
それらを可能にするためには、海外の営業拠点・製造拠点・在庫拠点の設立、海外市場向け製品の開発・小ロットや短納期といった特注への対応、海外企業のM&Aなど、必要なことには積極的にチャレンジしていくことが大切です。視野を広く持ち、あらゆることに挑戦し「Japan TOLI」ブランドを世界に浸透させていくことを目指しています。
グローバル戦略推進部は、営業でありながら戦略を立て様々な方法を模索し実行する「戦略推進」の力も必要です。既存代理店はもちろん、様々な販売チャネルを駆使することで、新たな拡販ルートも開拓していきたいと考えています。
つい最近、新たな代理店を開拓していましたね。代理店などのパートナーを開拓することは単純な話ではなく、売り上げ増加が見込めることはもちろん、既存の体制に良い影響を与えるか、東リブランドを託してよいかなど、あらゆる角度から社内で検討します。現にブランドや品質を担保できないという理由で、契約を見送ることもあります。
単純に東リを世界に広めればいいというわけではないですからね。やはり誇れる品質やブランド力で、世界中の建築物に採用されることが重要だと思います。
TALK SECTION 05
求める人材
担当エリアに関する販売戦略の立案から実行まで、担当営業に全て任せています。もちろんチェックやアドバイスはしますが、自身がこうしたいという強い想いが原動力の仕事はうまくいくことが多いと考えています。
グローバル戦略推進部の営業職の業務は、代理店への商品知識教育や、日々の問い合わせへの対応がメインですが、代理店の入替や増減に関する施策、専用特注品の作成、海外専用のサンプル帳や広告制作なども担当し、業務は多岐にわたります。
もちろん会社や周囲のサポートはありますが、全てを自分が中心となり進めるため、企画力と行動力の両方がなければ務まりません。ただ、この二つの能力は訓練である程度鍛えられます。一番大切なのは、失敗しても諦めずに次の手を考え挑戦できる前向きさだと思います。
あと英語力は必須ですね。私は社内の英語研修や、グローバル戦略推進部が開催する英文翻訳勉強会でスキルアップできたと思います。そして一番役立っているのが、国内営業所での経験です。顧客へのPRスキルや案件獲得のノウハウ、製品・施工・クレーム対応の知識などを国内営業所で学び確立した東リスタイルが、現在の業務でも通用していると実感しています。与えられた環境で、いかに成果を出すか。営業職として売上では負けたくないと思いながら過ごしていました。今も、競合企業よりも良い提案をして、東リのシェアを伸ばしたいと常に思っています。
どんどん東リを世界に広めていきましょう。実は退職後の夢があって、東リ製品が採用されている世界中の物件を旅しながら回りたいと思っています。老後の旅行先が少しでも増えるよう、採用先を増やしていきたいです。
楽しそうですね。ASEANだけで数年かかるぐらい、東リだらけにしておきますね(笑)。
いいですね。数年と言わずASEANだけで旅が終わるぐらい、どんどんチャレンジしてください(笑)。